小さな体で、私たちに癒しと笑顔を与えてくれる猫。その愛らしい姿に惹かれ、家族に迎えたいと願う方も多いことでしょう。しかし、猫との暮らしは、楽しいことばかりではありません。一つの命を預かるということは、その一生に責任を持つということです。
この記事では、猫を家族に迎える前に、そして迎えた後もずっと心に留めていただきたい「生涯飼育」について、改めて考えていただきたいと思います。
生涯飼育とは?
生涯飼育とは、猫がその生涯を終えるまで、愛情と責任をもって飼育することを意味します。単に食事や住まいを与えるだけでなく、健康管理、精神的なケア、そして何よりも深い愛情をもって寄り添うことが大切です。
猫は人間よりもずっと早く年を取り、私たちと同じように病気にもなります。子猫の頃は手がかからなくても、成長するにつれて、また年老いていくにつれて、様々なケアが必要になります。
- 健康管理: 定期的な健康診断や予防接種はもちろん、日々の食事管理や異変の早期発見が大切です。病気になった際の治療費も考慮する必要があります。
- 精神的なケア: 猫は繊細な生き物です。孤独を感じさせないように遊んであげたり、安心して過ごせる環境を整えたりすることが重要です。引っ越しや家族構成の変化など、猫にとってストレスとなる状況にも配慮が必要です。
- 経済的な負担: 食費、医療費、トイレ用品、その他様々な費用が生涯にわたってかかります。これらの費用をきちんと負担できる見込みがあるか、慎重に検討する必要があります。
- 時間的な負担: 毎日のお世話(食事、トイレ掃除、遊びなど)には時間がかかります。旅行や急な予定が入った際の預け先の確保も考えておく必要があります。
飼い主さんにできること
生涯飼育のために、飼い主ができることはたくさんあります。
- 家族全員の同意を得る: 猫を迎え入れる前に、家族全員が猫との暮らしに賛成しているかを確認しましょう。
- 十分な情報収集: 猫の飼育に関する知識を事前に学び、必要な準備を整えましょう。
- 住環境の整備: 猫が安全で快適に暮らせるように、脱走防止対策や適切なスペースの確保をしましょう。
- 愛情をもって接する: 猫の気持ちを理解し、優しく接しましょう。
- 変化に気づく: 日々の様子を観察し、体調や行動の変化にいち早く気づけるようにしましょう。
- 困った時の相談: 飼育に困った時は、獣医師や専門家、地域のボランティアなどに相談しましょう。
最後に
猫との暮らしは、かけがえのない喜びをもたらしてくれます。しかし、その喜びの裏には、生涯にわたる責任が伴います。猫を家族に迎える前に、もう一度、ご自身の生活環境や将来設計を見つめ直し、「本当に生涯、この子を幸せにできるだろうか?」と自問自答してみてください。
あなたの温かい愛情と責任感が、猫の一生を豊かなものにするのです。

私たちは名古屋市の保護猫組織「ねころび」です。日本中の犬猫殺処分ゼロを目指し、主に不幸な野良猫を減らすための避妊去勢手術、恵まれない立場の動物の保護を行うために活動しています。