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殺されるために生まれる命.2

シェルターの必要性

殺処分をゼロにするための保護猫活動は「TNR」を基本軸とし、大きく三つです。その三本柱の一つが「保護猫シェルターの運営」となります。
シェルターはTNR活動によって出会う「リターン」の出来ない猫のためにどうしても必要になってきます。
リターンの出来ない猫とは怪我をした猫や病気の猫、自身の力で生きることの出来ない小さな子猫たちです。他にも譲渡先がすぐに見つかりそうという理由で、健康で人懐っこい猫ちゃんをリターンしない場合もあります。

写真は「男爵」「メイ」「ジンジャー」、そして「リリーと知久呂」です。どの子も市内で保護しました。交通量の多い都会に暮らす猫たちは常に死と隣り合わせ。男爵とメイは保護をした時点で生きるか死ぬかの瀬戸際でした。もちろん、こういった子たちは、手当をしてもリターンするわけにはいかないので生涯付き添う形となります。

※保護した時のお話とその後

男爵のお話
メイのお話
● ジンジャーのお話
● リリーと知久呂のお話

ねころばの猫たち

困難だらけのシェルター運営

シェルターの運営はその開設から困難だらけです。

  • 格安の広い物件は存在しない
  • そもそも猫の多頭飼育が可能な物件がない
  • たとえあっても人里離れた山奥の物件

現在、ねころびのシェルターも諸事情で引っ越したばかりですが、保護した猫ちゃんにはなるべく早く人慣れして欲しいため、シェルター=猫ちゃんたちを隔離して育てる施設ではなく、譲渡を希望する里親さんたちが気軽に遊びに来れるような「触れあいオープンシェルター」としての運用を良しとしています。

なのでどうしても「安い物件」「広い物件」「駅近の物件」と、普通の賃貸住宅でも難しい条件の中探すしかありませんでした。

ねころばの猫たち

保護猫活動の限界

広いシェルターが確保できないと、あっという間に保護猫活動が立ち行かなくなります。保護をすれば譲渡先がすぐに見つかるとは決してなりませんし、譲渡先が見つかりそうにないけがや病気の子たちもシェルターで看てあげる必要があります。

乳飲み子や怪我をした猫ちゃんの保護は、スタッフ不足にも病院代などの資金不足にも大きく繋がります。
いずれ早晩、保護猫が溢れてしまうか資金不足となって新しい保護活動がしたくても出来なくなるということです。

また自分たちの活動の中だけでなく、活動を聞いて猫を保護してほしいという依頼も入り、なるべく大きな保護シェルターが無ければ活動が休止に追い込まれるのは時間の問題です。

実際私たちも一時期60匹以上の猫ちゃんたちを保護して預かっていたため、活動に支障が出た時期もありました。

生後3か月未満の子猫以外は人間が恐い

この子たちは「サツマアゲ」と「カラアゲ」です。ねころび発足のきっかけとなった兄弟猫ですが、保護した時点では生後3ヶ月を過ぎていたため、人間を良く思っていません。こういった子達を保護して人に慣らすことは容易ではありません。なのでこの子達は未だ、虐められたトラウマから人慣れ出来ず、シェルターの古株として他の猫ちゃんたちと暮らしています。

出来る事ならすべての猫ちゃんをリターンせず、里親さんを見つけてあげたいです。でもこの子たちのように辛い記憶を持つ猫ちゃんたちは、なかなか譲渡先が見つかりません。もう既にねころびで4年目を迎えます。

あんこ|ねころび

シェルターの運営費

因みに猫ちゃん一匹の飼育費用はキャットフード、おやつ、猫砂、爪とぎ、病院代など様々です。活動全体でかかる費用は2019年の決算で年間60万円でした。譲渡先の里親さんなどから頂くご寄付が15万、足りない費用は全て私たちが別に働いたお給料から賄っています。

Posted in ねころびまがじん

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